駐車場内の交通事故の過失割合を修正できた事例

今回のテーマは、駐車場内の交通事故の過失割合です。

当事務所の公式ブログ(身近な法律問題を解説!~弁護士法人優誠法律事務所からの情報発信ブログ~)で過去に駐車場内の交通事故の事例をいくつかご紹介したこともあり、当事務所には駐車場内の交通事故に関するお問合せを数多くいただいております。

駐車場内の交通事故は、道路上の交通事故と比べると大怪我を負うケースは少ないですが、過失割合については、道路上の交通事故と同様、問題となることが多いという印象です。

今回も、駐車場内の交通事故の過失割合が問題になった事例をご紹介しますので、皆様のご参考にしていただけますと幸いです。

1.今回の依頼者~駐車場内で車VS車の交通事故~

今回の依頼者Mさんは、神奈川県在住で

・交通事故はショッピングセンターの広い駐車場の中

・相手方に過失割合5:5を主張されている

・交通事故による怪我はなし

・弁護士特約が使用可能

という内容でした。

【本件の争点】過失割合

上が本件の交通事故の現場となった駐車場です(事故当時の写真ではありませんので、実際の当事者双方の車両は写っていません。)。

事故が起きたのは、画像中央にある通路の交差部分になります。

Mさんは、駐車場から出るため、出口に向かって駐車場内を進行していました。

そうしたところ、Mさんが走行していた通路と交差する右側の通路から、同じく出口に向かうため、右折しようとして出てきた相手方に衝突されてしまいました。

過失割合については、双方の保険会社同士で話し合いが行われていましたが、Mさんは20%(Mさん):80%(相手方)を希望していたものの、相手方保険会社からは50%:50%の主張がなされているとのことでした。

Mさんとしては、相手方が一時停止規制を無視して交差部分に進入したとの認識であったため、50%:50%という過失割合に納得することができず、当事務所にご相談されました。

幸い自動車保険には弁護士費用特約が付いていましたので、弁護士費用のご負担なく弁護士に依頼できる状態でした。

2.基本過失割合は?

ご相談いただいた際、まずは今回の交通事故の基本過失割合について検討しました。

(「基本過失割合とは?」については、以前の公式ブログの記事で説明していますので、こちらもご覧ください。)

今回の事故は、駐車場の通路を走行している車両同士の交通事故ですので、別冊判例タイムズの334図が基本になりますが、別冊判例タイムズ334図の基本過失割合は50:50になっています(別冊判例タイムズ334図の基本過失割合については以前の公式ブログの記事「過失割合を修正できた事例~駐車場内の交通事故その5~」でご説明していますので、そちらもご覧ください。)。

判例タイムズ334図
基本過失割合50(A):50(B)

一方、相手方保険会社が提示していた過失割合も50%:50%であったため、相手方保険会社は、この別冊判例タイムズ334図の基本過失割合を根拠に主張していることが推察されました。

3.基本過失割合からの修正要素

しかしながら、別冊判例タイムズ334図の50%:50%は、あくまでも基本的な過失割合であるため、修正要素がある場合にはその数値が増減することになります(別冊判例タイムズ334図の修正要素については以前の記事「過失割合を修正できた事例~駐車場内の交通事故その5~」でご説明していますので、そちらもご覧ください。)。

Mさんからご依頼いただいた後、どのような修正要素があるか検討するため、交通事故が発生した駐車場を訪れて、事故現場の確認を行いました。

そうしたところ、下の写真のとおり、相手方が走行してきた通路には、「止まれ」との路面標示が描かれていたことに加えて、「合流注意」と記載された看板も置かれていたことが判明しました。

このことを踏まえ、相手方保険会社に対しては、以下の修正要素が存在することを主張しました。

・Mさんは、丁字路の直線路を直進していたこと

・相手方は、「止まれ」との路面標示があるにもかかわらず、これに従わなかったこと

・それに加えて、「合流注意」との看板が置かれて注意喚起もなされていたことから、相手方には著しい過失も認められること

その上で、Mさんの過失割合は20%を上回らないと主張しました。

4.交渉の結果~過失割合20:80で解決~

その後、相手方保険会社は、私たちの主張を受け入れ、基本過失割合から30%過失を修正し、20%(Mさん):80%(相手方)で了承すると回答しました。

Mさんとしても、当初の希望通りの過失割合であったため、裁判にならずに示談が成立しました。

5.まとめ

今回のMさんの場合、結果的に50:50から20:80に過失割合を修正することができました。

このように大幅に過失割合を修正することができたのは、交通事故が発生した場所を訪れて事故現場の確認を行ったことにより、当方に有利な主張内容を構成することができたためであると感じました。

私たちの優誠法律事務所では、交通事故のご相談は無料です。

全国からご相談いただいておりますので、お気軽にご相談ください。

0120-570-670

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投稿者プロフィール

 市川雅人 弁護士

これまで一般民事事件や刑事事件を中心に、数多くの案件を担当して参りました。
これらの経験を踏まえ、難しい法律問題について、時には具体例を交えながら、分かりやすい内容の記事を掲載させていただきます。
■経歴
2009年3月 明治大学法学部法律学科卒業
2011年3月 東北大学法科大学院修了
2014年1月 弁護士登録(都内上場企業・都内法律事務所にて勤務) 
2018年3月 ベリーベスト法律事務所入所
2022年6月 優誠法律事務所参画
■著書・論文
LIBRA2016年6月号掲載 近時の労働判例「東京地裁平成27年6月2日判決(KPIソリューションズ事件)」

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