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信号のない丁字路交差点での右折車同士の交通事故で過失割合を修正できた事例

2024-03-31

皆様、こんにちは。優誠法律事務所です。

今回は、信号のない丁字路交差点で右折車同士が衝突した交通事故の事例についてご紹介します。

今回の事例は、信号のない丁字路交差点で、直進路から右折していた自動車に、突き当り路(停止線あり)から右折しようとした自動車が衝突した交通事故(右折車同士の交通事故)で、双方の過失割合が問題になりました。

当事務所の公式ブログの駐車場内の交通事故についてご紹介した記事で、

●過失割合とは?
●基本過失割合とは?
●弁護士にご依頼いただいた場合の過失割合の争い方

など、過失割合の基本的なことを解説していますので、是非こちらの記事過失割合を修正できた事例~駐車場内の交通事故その1~もご覧ください。

今回ご紹介する事例は、交差点での右折車同士の交通事故という比較的珍しい類型ですので、同じような事例がどのように処理されているか調べようとしても、なかなか参考になるものが見つからないかもしれません。

そこで、同じような交通事故でお困りの方の参考になればと思い、ご紹介させていただきます。

1.今回の依頼者~信号のない丁字路交差点で右折車同士の車VS車の交通事故~

今回の依頼者Uさんは、北海道在住で

・交通事故は信号のない丁字路交差点で発生

・Uさんは直進路(丁字路の突き当りではない方の道路)から右折、相手方は突き当り路から直進路に出るために右折しようとしていた

・相手には一時停止があり、一時停止後に右折を開始したと主張

・Uさんが先に右折を開始したところ、右折が終わるくらいのタイミングで相手方が右折してきて衝突

・Uさんの車両の右側面に相手方の右前部が衝突した

・相手方に過失割合30:70を主張されている

・交通事故による怪我は頚椎捻挫

・治療期間は約6ヶ月間で、治療後に後遺障害14級9号が認定された

・弁護士特約が使用可能

という内容でした。

【本件の争点】過失割合

依頼者から見た交通事故現場の丁字路交差点の写真

上の写真が本件の交通事故の現場となった丁字路交差点をUさん側から見たものです(事故当日の写真ではありません。)。

Uさんは、この丁字路交差点で右折しようとしており、写真中央の右折レーンを進んで右折を始めました。

この時、Uさんからも、右折先の道路に相手方の車両がいることが分かりましたが、相手方に停止線があり、明らかにUさんの方が優先であったことや、相手方が減速している様子だったこともあり、ご自身が右折するまで待っていてくれるだろうと考えて、そのまま右折しました。

ところが、相手方は、なぜかUさんが右折を完了しそうになったくらいのタイミングで右折を始めてしまい、Uさんの車両の右側面に衝突してしまいました。

Uさんとしては、ご自身が先に右折しているにもかかわらず、そのタイミングで相手方が交差点内に進入しようとするなどとは予測できず、衝突の瞬間は何が起きたか分からなかったとのことでした。

この事故でUさんは頚椎捻挫の怪我を負ってしまい、症状固定後に後遺障害14級9号が認定されました。

相手方保険会社は、この交通事故の過失割合は30(Uさん):70(相手方)と主張してきました。

Uさんとしては、ご自身が先に右折を開始し、既に右折が完了するくらいのタイミングになって、相手方が交差点に進入してきて側面に衝突されており、この状況では衝突を避けることができなかったため、ご自身に過失があると言われたことに不満がありました。

また、相手方から見ると、目の前で右折してきているUさんの車両にあえて向かって行って衝突しているような状況ですから、Uさんとしては、なぜそんなことになったのか理解できませんでした。

それにもかかわらず、相手方保険会社にご自身の過失割合が30%もあると主張されたことに納得できず、ご自身の保険の弁護士費用特約を使って私たちに交渉を依頼したいとのことでご相談いただきました。

Uさんとしては、双方が動いていたときの事故であったため、過失割合を0:100にするのは難しいとお考えでしたが、それでもご自身の過失は10%くらいだろうとお考えでした。

2.基本過失割合と修正要素(判例タイムズ145図)

では、今回の交通事故の基本過失割合を考えます。

(「基本過失割合とは?」については、以前の記事で説明していますから、こちらもご覧ください。)

今回のような信号のない丁字路交差点での右折車同士の事故の基本過失割合は、別冊判例タイムズの145図によって、30(直進路右折車):70(突き当り路右折車)とされています。

判例タイムズ145図
判例タイムズ145図
基本過失割合 Ⓐ30:Ⓑ70

相手方保険会社は、今回の交通事故の過失割合は、この基本過失割合の30(Uさん):70(相手方)が妥当だと主張していました。

しかし、今回の事故は、双方が交差点内で出会い頭に衝突した訳ではありません。

Uさんが目の前を右折して来ているにもかかわらず、相手方がそのタイミングで交差点内に進入してUさんの車両の側面に衝突したという事故態様ですので、この基本過失割合が想定している状況とは、だいぶ異なるように思います。

そこで、私たちとしては、まずは、そもそも今回の交通事故は判例タイムズ145図が想定している状況とは異なり、この基本過失割合30:70を基に検討する事例ではないと主張することにしました。

その上で、Uさんとしては右折完了目前で急に相手方が出て来て側面に衝突されており、相手方がそのタイミングで交差点内に進入することを予測することは難しく、自車の側面に衝突されていて回避可能性も低いことから、Uさんに過失が認められるとしても10%程度であると主張しました。

また、別冊判例タイムズの145図では、以下のような直進路右折車(Uさん側)に有利に過失割合を修正する修正要素が認められています。

著しい過失:10%

重過失:20%

 【著しい過失】

著しい過失の例としては、脇見運転等著しい前方不注視、著しいハンドル・ブレーキ操作不適切、携帯電話等を通話のために使用していた場合、画像を注視したりしながらの運転、時速15km以上30km未満の速度違反、酒気帯び運転等が挙げられています。

 【重過失】

 重過失の例としては、酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転、時速30km以上の速度違反、過労・病気及び薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある場合等が挙げられています。

そこで、仮に、今回の事故に判例タイムズ145図が適用される場合には、この修正要素を主張して基本過失割合からUさんに有利に修正するべきと主張する必要がありました。

そのため、私たちは、判例タイムズ145図が適用されると判断されてしまった場合に備えて、刑事記録(実況見分調書)を取り寄せて、相手方の著しい過失や重過失の主張ができないかも検討しました。

3.交渉の経緯~争点は145図適用の有無・修正要素の有無~

上記のように、別冊判例タイムズ145図の基本過失割合30:70を主張していた保険会社に対して、私たちは、

① 判例タイムズ145図は、主に右折車同士が出会い頭で衝突したような事故を想定しており、今回の事故のように、直進路右折車(Uさん)の右折完了間際に、突き当り路右折車(相手方)が右折を開始して衝突するような状況は想定しておらず、判例タイムズ145図は適用されない

② 判例タイムズ145図が適用されるとしても、相手方の前方不注視が著しく、ハンドル・ブレーキ操作も著しく不適切で、Uさんとしては衝突を回避できない状況であったため、基本過失割合から15~20%は修正するべき

と主張しました。

これに対して、当初、相手方保険会社は、

① 判例タイムズ145図は、出会い頭の事故のみを想定している訳ではなく、本件にも適用される

② 相手方の前方不注視やハンドル・ブレーキ操作の不適切は、基本過失割合に含まれる程度のもので、修正要素には該当しない

③ むしろ、相手方が一時停止していることから、(実際には修正を主張しないものの)相手方に有利に15%修正すべきくらいである

と主張し、基本過失割合の30:70以上は譲れないと回答してきました。

その後、何度か交渉を重ねましたが、相手方が全く態度を変えませんでした。

Uさんとしては、相手方がしっかり前を向いていれば、ご自身が目の前を右折して来ることを認識できた訳で、この事故はほとんど相手方の過失で発生したとお考えでしたので、過失割合30%はどうしても納得できませんでした。

そこで、私たちは、交通事故紛争処理センターに斡旋の申立てをすることにしました。

そのとき、裁判を起こすということも選択肢になりましたが、裁判は1年近くかかることが多く、今回は過失割合以外には大きな争点がありませんでしたので、紛争処理センターの方が早期解決を見込めるという判断で、紛争処理センターへの申立てを選択しました。

4.交通事故紛争処理センターで示談成立

今回の事例は、上記の経緯で交渉が決裂してしまい、紛争処理センターに申立てをしました。

私たちは、申立ての際に刑事記録(実況見分調書)を提出し、刑事記録上、相手方がUさんの車両に気が付いたのが、衝突の直前であると記録されていることを指摘しました。

そして、下の写真のように、相手方からは前を向いていれば交差点内に進入する前の時点で、Uさんが右折して来ることは認識できるはずなので、衝突直前までUさんに気が付いていないのは、前を見ていなかったことの裏付けになると主張しました。

相手方から見た本件交通事故現場の丁字路交差点の写真

さらに、相手方は、Uさんが接近してくる状況で右折を開始しており、Uさんの車両に当たりに行ったようなものだと指摘し、ハンドル操作等も著しく不適切で、基本過失に含まれる過失を大きく上回る過失があると主張しました。

相手方は、紛争処理センターでの和解協議でも、30%:70%の主張を変えませんでした。

その結果、紛争処理センターの嘱託弁護士(斡旋を担当する弁護士)が双方の意見を聞いて、斡旋案を出すことになりました。

そして、今回の紛争処理センターの斡旋案は、今回の事故は、相手方が右折しようとした際に、相手方から見て右側だけを確認して、右側から車両が来ていなかったことから、左側(Uさんが走行してきた方向)を全く確認せずに交差点内に進入したことが主な原因であると認められ、過失割合は15%(Uさん):85%(相手方)が妥当であるとの内容でした。

Uさんとしては、本来過失10:90を主張したいというお気持ちでしたので、15:85で示談するか、斡旋案を断って審査会(紛争処理センターの最終的な手続きで、斡旋段階とは別の審査委員3名がセンターとしての裁定を出す手続きです。この裁定は、被害者側は断って裁判に進むことは可能ですが、相手方保険会社は断ることができません。ただし、物的損害については、双方に過失がある事案の場合、双方とも断ることができません。)に進むか、悩まれたようでした。

その後、結局、Uさんは、早期解決のために15:85の斡旋案を受け入れる選択をすることにしました。

5.まとめ

今回の交通事故では、紛争処理センターの斡旋で過失割合が30%:70%から15%:85%となりました。

今回の事例でもそうでしたが、保険会社は、杓子定規に判例タイムズに当てはめて主張しようとすることが多い印象があります。

今回の場合、第三者である紛争処理センターの嘱託弁護士も、判例タイムズの基本過失割合で解決するような事例ではないと認めてくれましたが、本来、交通事故はそれぞれに事案ごとに個別に考慮すべき事情がありますので、杓子定規に判例タイムズに当てはめればよいというものでもありません。

そうは言っても、一般の方がこのような個別の事情を検討して、保険会社と過失割合の交渉するのは難しいと思いますので、お困りの方は一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

私たちの優誠法律事務所では、交通事故のご相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。

全国からご相談いただいております。

0120-570-670

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投稿者プロフィール

  甘利禎康 弁護士

法律の問題は、一般の方にとって分かりにくいことも多いと思いますので、できる限り分かりやすい言葉でご説明することを心がけております。
長年交通事故案件に関わっており、多くの方からご依頼いただいてきましたので、その経験から皆様のお役に立つ情報を発信していきます。
■経歴
2005年3月 早稲田大学社会科学部卒業
2005年4月 信濃毎日新聞社入社
2009年3月 東北大学法科大学院修了
2010年12月 弁護士登録(ベリーベスト法律事務所にて勤務)
2021年3月 優誠法律事務所設立
■著書
交通事故に遭ったら読む本 (出版社:日本実業出版社)

駐車場内の交通事故の過失割合を逆転させた事例(80:20⇒10:90)

2023-12-10

今回は、駐車場内の交通事故で過失割合を争い、相手方の主張から逆転させることができた事案をご紹介します。

現在、当事務所では、駐車場内の交通事故に関するお問い合わせを多くいただいております。

その多くは過失割合に関するお問い合わせですが、駐車場内における事故は非定型で特有性の強い事故が多いということを感じます。

今回も、駐車場内の交通事故の過失割合が問題になった事例をご紹介しますので、皆様のご参考にしていただけますと幸いです。

1.今回の依頼者~駐車場内で車VS車の交通事故~

事故当時、依頼者Tさんは、Tさん車両を運転して、前方を走行していた相手車両に続いて、道路から駐車場内に進入しました。

その後、相手車両が通路の交差部分を左に曲がったため、Tさん車両も続いて通路の交差部分に進入したところ、突然、相手車両がTさん車両に向かって後退を開始しました。

危険を感じたTさんは、Tさん車両を停止させた上でクラクションを鳴らしました。

しかしながら、その後も相手車両は減速することなく後退を継続したことにより、Tさん車両に衝突してしまいました。

幸いにして、Tさんも相手方も怪我をしていませんでした。

ただ、Tさんは、相手方保険会社から、Tさんの過失割合が80%であるという主張をされており、これに納得できなかったことから、当事務所にご相談いただくことになりました。

Tさんは弁護士特約が利用することができ、弁護士費用による費用倒れの心配はありませんでしたので、ご相談後、ご依頼いただくことになりました。

上が本件の交通事故の現場となった駐車場です(事故当時の写真ではありませんので、実際の当事者双方の車両は写っていません。)。

事故が起きたのは、画像中央にある通路の交差部分になります。この写真は、下の図で見ると上部の方から交差部分を撮影したもので、Tさんはこの写真の奥側から手前側に向かって進行してきました。

2.基本過失割合は?

ご相談いただいた際、今回の交通事故の基本過失割合について検討しました。

(「基本過失割合とは?」については、以前、当事務所ブログの記事でご説明していますので、こちらもご覧ください。)

今回の事故は、通路を進行する四輪車と通路から駐車区画に進入しようとする四輪車との交通事故ですので、一見すると別冊判例タイムズの336図が基本になりますが、別冊判例タイムズ336図の基本過失割合は80(通路進行車):20(駐車区画進入車)になっています。

相手方保険会社が提示していた過失割合も80%:20%であったため、相手方保険会社は、この別冊判例タイムズ336図の基本過失割合を根拠に主張していることが推察されました。

3.別冊判例タイムズ336図が適用されるか否か

しかしながら、通路を進行する四輪車と通路から駐車区画に進入しようとする四輪車との交通事故であれば、必ず別冊判例タイムズ336図の80%:20%が適用される訳ではありません。

実際、別冊判例タイムズにも、通路進行車において、駐車区画進入車の駐車区画への進入動作を事前に認識することが客観的に困難であった場合は、本基準によらず、具体的な事実関係に即して個別的に過失相殺率を検討すべきであるとの記載がなされています。

Tさんからご依頼いただいた後、本件事故は別冊判例タイムズ336図が適用されるケースであるか否かを検討するため、交通事故が発生した駐車場を訪れて、事故現場の確認を行いました。

その結果、本件事故において、別冊判例タイムズ336図は適用されるべきではないとの心証を抱きました。

その後、相手方保険会社に対しては、資料等を引用した上で、概ね以下の主張を展開しました。

・通常、駐車区画に進入する際は、当該駐車区画の傍で停車した後、当該駐車区画への進入動作を開始すること。

・それにもかかわらず、相手車両は、かなり距離の離れた場所から駐車区画への進入動作を開始しており、Tさんが事前に認識することが客観的に困難であったこと。

・以上より、本件事故において、別冊判例タイムズ336図は適用されないこと。

その上で、衝突時にはTさん車両が停止していたこともあり、Tさんの過失割合は10%を上回らないと主張しました。

4.交渉の結果~過失割合10:90で解決~

その後、相手方保険会社は、私たちの主張を受け入れ、当初提示していた過失割合から70%過失を修正し、10%(Tさん):90%(相手方)で了承すると回答しました。

Tさんとしても、想定以上に有利な過失割合であったため、裁判にならずに示談が成立しました。

5.まとめ

今回のTさんの場合、結果的に80:20から10:90に過失割合を修正することができました。

このように大幅に過失割合を修正することができたのは、交通事故が発生した場所を訪れて事故現場の確認を行ったことにより、当方に有利な主張内容を説得的に構成できたためであると感じました。

過失割合の交渉をするにあたっては、機械的に別冊判例タイムズの基準を当てはめるのではなく、駐車場内における事故の特殊性を踏まえて柔軟に主張内容を構成することが肝要です。

私たちの優誠法律事務所では、交通事故のご相談は無料です。

全国からご相談いただいておりますので、お気軽にご相談ください。

0120-570-670

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過失割合を修正できた事例~駐車場内の交通事故その4~

過失割合を修正できた事例~駐車場内の交通事故その5~

過失割合を修正できた事例~駐車場内の交通事故その6~

過失割合を修正できた事例~駐車場内の交通事故その7~

投稿者プロフィール

 市川雅人 弁護士

これまで一般民事事件や刑事事件を中心に、数多くの案件を担当して参りました。
これらの経験を踏まえ、難しい法律問題について、時には具体例を交えながら、分かりやすい内容の記事を掲載させていただきます。
■経歴
2009年3月 明治大学法学部法律学科卒業
2011年3月 東北大学法科大学院修了
2014年1月 弁護士登録(都内上場企業・都内法律事務所にて勤務) 
2018年3月 ベリーベスト法律事務所入所
2022年6月 優誠法律事務所参画
■著書・論文
LIBRA2016年6月号掲載 近時の労働判例「東京地裁平成27年6月2日判決(KPIソリューションズ事件)」

片賠と評価損請求で物損事故を解決できた事例

2023-09-17

こんにちは、優誠法律事務所です。

以前、以下の記事で「別冊判例タイムズ38号」をそのまま参照できない類型の事故についてご紹介しました。

今回も、別冊判例タイムズ38号記載の類型にそのまま当てはめることができないのではと思われる類型の事故について、以前もご紹介した「片賠」や、「評価損」という方法をあわせて解決できた事例の物損の解決についてご紹介いたします。

1.事案の概要~青信号と赤色点滅信号の丁字路交差点での事故~

本件の事故は信号のある丁字路交差点での自動車同士の事故で、ご相談者は優先道路を直進、加害者は丁字路突き当りを左折しようとしました。

これだけであればよくある事故なのですが、少し特殊なのは、ご相談者の対面信号が青色、加害者の対面信号が赤色点滅だったことです。

このような事故状況について、ご相談者は物損について加害者側保険会社から1(被害者):9(加害者)の過失割合での解決を迫られており、不安に思われたため弊所弁護士にご相談の上、ご依頼になりました。

2.過失割合についての検討

信号のある交差点において、一方の信号が青色であれば交差道路の信号は赤色であるのが通常で、この場合の過失割合は0:10が基準になります。

では、本件のように一方の信号が青色であるにも関わらず、交差道路の信号が赤色点滅の場合はどのように考えるべきでしょうか。

道交法上、赤色点滅信号は一時停止と同様の扱いがなされています。

これをそのまま適用すれば、本件の事故は、「丁字路における優先道路直進車と一時停止規制側進行車両の接触事故」として整理されます。

そうすると、別冊判例タイムズ142図に従い、1:9という過失割合になります。

判例タイムズ142図
基本過失割合Ⓐ10:Ⓑ90

したがって、加害者側保険会社の1:9の過失割合の主張は、一応は法的な根拠のあるものだったと言えます。

3.交渉経緯

しかし、ご相談者としては、目の前の青信号に従って進行しただけですので、釈然としません。

上記のとおり、通常は一方の信号が青色であれば交差道路の信号は赤色で、青色に従って進行した自動車に過失はありません。

したがって、当方からは、まず、こちらは目の前の青色信号に従って進行しただけであるから、9割よりもさらに加害者側の過失が加重されるべきである、という主張を行いました。

しかし、加害者側保険会社は、加害者の過失9割での解決に固執してきました。

そこで、当方からは、加害者の過失9割は認めるが、以前もご紹介した片側賠償(片賠)という方法で、0:9で解決できないかという交渉を行いました。

併せて、こちらの評価損も損害として認めていただきたいと主張しました。

自動車が事故にあった場合、修理をしたとしても自動車の価値が下がってしまうことがあります。

この下がってしまう価値を「評価損」と言います。

評価損の請求はハードルが高いケースが多く、裁判であっても、登録から数年以内であり、走行距離も短いといったケースでないと認めさせるのは難しいです。

その他、損傷部位が車両の骨格部か否か、ということも重視されます。

そのため、示談交渉時に保険会社が評価損を認めることは、あまりないと言ってよいと思います。

しかし、今回は、過失割合について双方の言い分に食い違いがあり、こちらの主張もある程度根拠がある(と思われる)事例でした。

また、被害車両自体も初度登録から1年経過していないものでした。

そこで、妥協点の提案として、片賠の話とともに、評価損の請求も行いました。

「片賠」については以下の記事もご覧ください。

4.交渉結果~評価損2割弱も含めた片賠で示談~

上記のような交渉を行ったところ、加害者側保険会社も0:9の片賠での示談を受け入れました。

また、こちらの請求額満額ではなかったものの、修理費の2割弱である10万円程度の評価損を損害額に加えることも認めました。

このように、今回の事例では、修理費について過失1:9で1割分を妥協することになりましたが、修理費の2割弱の評価損を加算させることができ、片賠で加害者側の修理費の1割を負担する必要もなくなりました。

もちろん、評価損は過失を補うものでなく、全く別の話ですが、結果的には、むしろ評価損なしで修理費だけで0:10で示談した場合よりも少し高い金額を得ることができましたので、今回の依頼者も納得され、円満に物損について示談することができました。

5.まとめ

今回は、物損について、0:9の片賠と評価損の請求という方法で解決できた事例についてご説明しました。

評価損が請求できるケースは限られますので、このような解決できる事例は限定的ではありますが、物損事故の解決について、一つの参考としていただければと思います。

優誠法律事務所では交通事故のご相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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投稿者プロフィール

 栗田道匡 弁護士

2011年12月に弁護士登録後、都内大手法律事務所に勤務し、横浜支店長等を経て優誠法律事務所参画。
交通事故は予期できるものではなく、全く突然のものです。
突然トラブルに巻き込まれた方のお力になれるように、少しでもお役に立てるような記事を発信していきたいと思います。
■経歴
2008年3月 上智大学法学部卒業
2010年3月 上智大学法科大学院修了
2011年12月 弁護士登録、都内大手事務所勤務
2021年10月 優誠法律事務所に参画
■著書
交通事故に遭ったら読む本 (共著、出版社:日本実業出版社)

片賠とは?物損事故を片賠で解決できた事例

2023-05-28

こんにちは、優誠法律事務所です。

これまで公式ブログなどで何度かご説明してきたとおり、交通事故の際に過失割合が争点となった場合には、実務上「別冊判例タイムズ38号」を参照します(基本過失割合についてのご説明はこちらの記事をご覧ください→「過失割合を修正できた事例~駐車場内の交通事故その1~」)。

この書籍には数百の事故類型がまとめられていますが、実際に発生する交通事故は多種多様なため、ぴったり当てはまらないこともあります。

今回は、そのような別冊判例タイムズ38号の類型に当てはまらない態様の事故について、「片賠(片側賠償)」と呼ばれる方法で解決できた事例について、「片賠」とは何かという点も併せてご紹介いたします。

1.事案の概要~変則交差点での交通事故~

本件の交通事故は自動車同士の事故ですが、変わった交差点で発生したものでなかなか言葉で説明することが難しいです。

文字だとわかりづらいので、以下で図示します。

事故発生状況図

Bさんの右折先にはポールが立っており、そのまま進むと逆走してしまうことになります。

どうやらBさんはそのことに右折後に気づいて、慌てて進路を変えたところ、Aさんに衝突してしまったようでした。

不幸中の幸いですが、Aさんと同乗の方にはお怪我はありませんでした。

Aさんは、事故後のBさんの対応にご不満があったことや、Bさん加入の保険が使用できないかもしれないという話があったこと(結果的に使用できましたが)、当初0:100での解決を希望されておりご自身加入の保険会社が示談代行で介入することが難しかったこと、Aさんが弁護士費用特約に加入されていたことなどから、当事務所にご相談いただき、ご依頼を受けることになりました。

2.相手損保の主張と「片賠」をご提案した理由

私たちはご依頼後、早速相手損保と交渉に入りました。

争点は過失割合です。

そうしたところ、相手損保からは、当初、別冊判例タイムズ38号の153図や137図に則った解決を提案されました。

153図や137図は以下のような類型です。

判例タイムズ153図
判例タイムズ153図
基本過失割合 30(Ⓐ):70(Ⓑ)
判例タイムズ137図
判例タイムズ137図
基本過失割合 20(Ⓐ):80(Ⓑ)

ご覧いただければわかる通り、153図はそもそも交差点ではない場所での交通事故を想定しており、本件とはかなり類型が異なります。

また、137図は交差点での交通事故についての類型ではありますが、先行のBさんの異常な挙動を反映させたものとは言えません。

したがって、当方からは、別冊判例タイムズ38号のこれらの類型に無理やり当てはめて解決するのではなく、あくまで個別の事情に基づいて解決すべきであると主張しました。

その上で、依頼者Aさんとのお打合せを行いました。

そうしたところ、Aさんとしても当該交差点はわかりにくい交差点であることは従前からご存じであり、何が何でも0:100でなければ示談に応じないというわけではないとのことでした。

弁護士としても、交差点内の双方進行中の事故であり、裁判になったとしても0:100の解決となるとは言い切れないことから、可能であれば示談で終わらせることが望ましいと思われました。

ただ、Aさんにはご自身加入の対物賠償保険や車両保険を使いたくない(保険の等級を下げたくない)というご希望がありました。

そこで、0:10ではないにせよ、こちらの希望を最大限主張する0:95という「片賠」を提案することになりました。

3.「片賠」とは?

交通事故の過失割合は、0:100や、50:50、30:70等、合計で100%となるのが通常であり、理論的にはそうなるべきですし、実際、裁判ではそうなります。

例えば、被害者:加害者が10:90の物損事故の場合、被害者は、自身の車両損害の9割を加害者に請求でき、加害者の車両損害の1割を負担することになります。

他方で、示談交渉の実務では、0:90等の合計100%にならない形での解決が時々あります。

被害者:加害者を0:90で解決した場合、被害者が自身の車両損害の9割を加害者に請求できるのは10:90の場合と同様ですが、0:90の場合は、被害者側は加害者の車両損害の1割を負担する必要がありません

このような当事者の片方だけが賠償する形での解決(もう一方が賠償しないため、過失割合の合計が100%になりません)を実務上「片賠(片側賠償)」と呼んでいます。

このような取扱いには理論的な裏付けがあるわけではなく、あくまで示談交渉上の妥協の産物と言えます。

片賠となれば、被害者は加害者の車両損害を負担する必要がありません。

したがって、被害者が自身の対物賠償保険を使わずに済みます

さらに加害者の責任割合が大きければ、自身の車両損害について自己負担分が出たとしても、被害者加入の車両保険も使用せずに修理をできることもあります

この点は片賠の大きなメリットと言えます。

4.交渉結果(0:95で解決!)

片賠には以上のようなメリットがあり、今回のAさんの事例では特にそのメリットが活かされると思われたため、弁護士からAさんに0:95の片賠で相手損保へ提示することを提案したところ、了承いただきましたので、その内容で引き続き交渉を行いました。

そうしたところ、相手損保からはいくつかの主張がなされましたが、交渉を重ねたところ、最終的には0:95の片賠での解決で合意できました。

5.まとめ

今回は、判例タイムズの基準にしっかりと当てはまらない事案について、0:95の片賠で解決できた事例についてご説明しました。

片賠には理論的裏付けがあるわけではなく、必ずその内容で解決できるというものでもないですが、実現できれば被害者に大きなメリットがある示談方法です。

物損事故の解決について、参考としていただければと思います。

優誠法律事務所では交通事故のご相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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投稿者プロフィール

弁護士栗田道匡の写真
 栗田道匡 弁護士

2011年12月に弁護士登録後、都内大手法律事務所に勤務し、横浜支店長等を経て優誠法律事務所参画。
交通事故は予期できるものではなく、全く突然のものです。
突然トラブルに巻き込まれた方のお力になれるように、少しでもお役に立てるような記事を発信していきたいと思います。
■経歴
2008年3月 上智大学法学部卒業
2010年3月 上智大学法科大学院修了
2011年12月 弁護士登録、都内大手事務所勤務
2021年10月 優誠法律事務所に参画
■著書
交通事故に遭ったら読む本 (共著、出版社:日本実業出版社)

駐車場内の交通事故の過失割合を修正できた事例

2023-03-27

今回のテーマは、駐車場内の交通事故の過失割合です。

当事務所の公式ブログ(身近な法律問題を解説!~弁護士法人優誠法律事務所からの情報発信ブログ~)で過去に駐車場内の交通事故の事例をいくつかご紹介したこともあり、当事務所には駐車場内の交通事故に関するお問合せを数多くいただいております。

駐車場内の交通事故は、道路上の交通事故と比べると大怪我を負うケースは少ないですが、過失割合については、道路上の交通事故と同様、問題となることが多いという印象です。

今回も、駐車場内の交通事故の過失割合が問題になった事例をご紹介しますので、皆様のご参考にしていただけますと幸いです。

1.今回の依頼者~駐車場内で車VS車の交通事故~

今回の依頼者Mさんは、神奈川県在住で

・交通事故はショッピングセンターの広い駐車場の中

・相手方に過失割合5:5を主張されている

・交通事故による怪我はなし

・弁護士特約が使用可能

という内容でした。

【本件の争点】過失割合

上が本件の交通事故の現場となった駐車場です(事故当時の写真ではありませんので、実際の当事者双方の車両は写っていません。)。

事故が起きたのは、画像中央にある通路の交差部分になります。

Mさんは、駐車場から出るため、出口に向かって駐車場内を進行していました。

そうしたところ、Mさんが走行していた通路と交差する右側の通路から、同じく出口に向かうため、右折しようとして出てきた相手方に衝突されてしまいました。

過失割合については、双方の保険会社同士で話し合いが行われていましたが、Mさんは20%(Mさん):80%(相手方)を希望していたものの、相手方保険会社からは50%:50%の主張がなされているとのことでした。

Mさんとしては、相手方が一時停止規制を無視して交差部分に進入したとの認識であったため、50%:50%という過失割合に納得することができず、当事務所にご相談されました。

幸い自動車保険には弁護士費用特約が付いていましたので、弁護士費用のご負担なく弁護士に依頼できる状態でした。

2.基本過失割合は?

ご相談いただいた際、まずは今回の交通事故の基本過失割合について検討しました。

(「基本過失割合とは?」については、以前の公式ブログの記事で説明していますので、こちらもご覧ください。)

今回の事故は、駐車場の通路を走行している車両同士の交通事故ですので、別冊判例タイムズの334図が基本になりますが、別冊判例タイムズ334図の基本過失割合は50:50になっています(別冊判例タイムズ334図の基本過失割合については以前の公式ブログの記事「過失割合を修正できた事例~駐車場内の交通事故その5~」でご説明していますので、そちらもご覧ください。)。

判例タイムズ334図
基本過失割合50(A):50(B)

一方、相手方保険会社が提示していた過失割合も50%:50%であったため、相手方保険会社は、この別冊判例タイムズ334図の基本過失割合を根拠に主張していることが推察されました。

3.基本過失割合からの修正要素

しかしながら、別冊判例タイムズ334図の50%:50%は、あくまでも基本的な過失割合であるため、修正要素がある場合にはその数値が増減することになります(別冊判例タイムズ334図の修正要素については以前の記事「過失割合を修正できた事例~駐車場内の交通事故その5~」でご説明していますので、そちらもご覧ください。)。

Mさんからご依頼いただいた後、どのような修正要素があるか検討するため、交通事故が発生した駐車場を訪れて、事故現場の確認を行いました。

そうしたところ、下の写真のとおり、相手方が走行してきた通路には、「止まれ」との路面標示が描かれていたことに加えて、「合流注意」と記載された看板も置かれていたことが判明しました。

このことを踏まえ、相手方保険会社に対しては、以下の修正要素が存在することを主張しました。

・Mさんは、丁字路の直線路を直進していたこと

・相手方は、「止まれ」との路面標示があるにもかかわらず、これに従わなかったこと

・それに加えて、「合流注意」との看板が置かれて注意喚起もなされていたことから、相手方には著しい過失も認められること

その上で、Mさんの過失割合は20%を上回らないと主張しました。

4.交渉の結果~過失割合20:80で解決~

その後、相手方保険会社は、私たちの主張を受け入れ、基本過失割合から30%過失を修正し、20%(Mさん):80%(相手方)で了承すると回答しました。

Mさんとしても、当初の希望通りの過失割合であったため、裁判にならずに示談が成立しました。

5.まとめ

今回のMさんの場合、結果的に50:50から20:80に過失割合を修正することができました。

このように大幅に過失割合を修正することができたのは、交通事故が発生した場所を訪れて事故現場の確認を行ったことにより、当方に有利な主張内容を構成することができたためであると感じました。

私たちの優誠法律事務所では、交通事故のご相談は無料です。

全国からご相談いただいておりますので、お気軽にご相談ください。

0120-570-670

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片賠とは?物損事故を片賠で解決できた事例

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投稿者プロフィール

 市川雅人 弁護士

これまで一般民事事件や刑事事件を中心に、数多くの案件を担当して参りました。
これらの経験を踏まえ、難しい法律問題について、時には具体例を交えながら、分かりやすい内容の記事を掲載させていただきます。
■経歴
2009年3月 明治大学法学部法律学科卒業
2011年3月 東北大学法科大学院修了
2014年1月 弁護士登録(都内上場企業・都内法律事務所にて勤務) 
2018年3月 ベリーベスト法律事務所入所
2022年6月 優誠法律事務所参画
■著書・論文
LIBRA2016年6月号掲載 近時の労働判例「東京地裁平成27年6月2日判決(KPIソリューションズ事件)」

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